EL34が1940年代後半にPHILIPS系列によって開発されたようですが、今日はその直系の真空管のMullardについてです。
Mullardは1922年に創立されたPHILIPS系の英国真空管メーカーだそうです。
MullardのEL34は、製造時期により、ふるい順にXf1からXf4まであり、私はXf2とXf4を所有しています。
Xf1は1950年代の後半から英国ブラックバーン工場で製造された物で、小改良が行われているので、7種類ほどのタイプがあるようです。大量生産される前のものなので、オークションで見ることは、ほとんどありません。
Xf2 Xf4
Xf2は英国ブラックバーン工場とオランダのPHILIPS系の工場で作られた物で、Xf1の改良が進み、OEM生産が始まったタイプなので、オークションでも見かけます。
ゲッターリングは2本の支柱で支えられており、放熱板は長方形のプレートが折り曲げられています。プレートは片側4ヶ所のスポット溶接で、上のマイカは爪が10本、下のマイカは爪がありません。
Xf3からはプレートが6孔カシメに変り、放熱板の下部が斜めに切り落とされております。しかし、この頃になると、製品のばらつきが多いようです。
Xf4になると更に製品のばらつきが多いようですが、幸い私の持っているXf4は6本とも構造的な違いは、見当たりませんでした。
ムラードの音は、いく分ゆったりした雰囲気で、彫り深くゴージャスな印象です。解像度重視の人にはむきませんが、ほどよくブレンドされた音はついつい音楽に引込まれてしまいます。決して、音がだんご状態ではありません。音像は広く、奥行感もありますが、音一つ一つが見えるというより、ブレンドされた音の粒が細かく滑らかと言ったら良いのでしょうか。Xf2の音とXf4の音は差は、あまり感じませんが、よりJazzにあっていると思ったのはXf2でした。低域が弾む感じがありましたが、個体差かもしれません。
もう少し、続きます。